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舎密局(せいみきょく)とは


大阪舎密局 錦絵
藤田英夫氏提供

日本の近代化学発祥の場といえる舎密局(せいみきょく)は明治2年、現在の大阪府庁舎南側の位置1)に開講し、後に日本の化学を世界レベルに押し上げる礎となった。舎密局の聴講生であった高峰譲吉は後年タカジアスターゼを発見し、世界で初めてアドレナリンの単離に成功する。舎密局の助手を勤めた村橋次郎は、後に味の素®を発見する池田菊苗を個人教授として指導した。
また村橋次郎は有機合成化学協会関西支部長を勤めた故村橋俊介大阪大学名誉教授の祖父、同じく関西支部長、日本化学会長を勤めた村橋俊一大阪大学名誉教授の曾祖父でもある。
舎密局は、明治政府の文教政策の変遷により、やがて京都大学の前身の旧制第三高等学校となり、後に故福井謙一京都大学名誉教授や元有機合成化学協会会長でもある野依良治現理化学研究所理事長などのノーベル化学賞受賞者を生むこととなる。 舎密局の詳細については、故芝哲夫大阪大学名誉教授が日本化学会に寄稿された一文2)および写真を提供いただいた藤田英夫氏の著作「大阪舎密局の史的展開―京都大学の源流(思文閣出版)」を参考されたい。

1) 異論もある。http://www.gulf.or.jp/~mabuchi/pic.pdf

2) http://www.chemistry.or.jp/news/18tenji.html

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