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支部長挨拶

2020年度有機合成化学協会・関西支部長 南方聖司
 人類が育まれている地球が誕生して46億年といわれていますが、有機合成化学の歴史は、ほんの200年に過ぎません。生命体は約38億年前に生まれ、その進化の過程は、まさに有機合成化学といっても過言ではないでしょう。その膨大な年月から鑑みますと、人類が手にした有機合成化学の進化はまだまだ続いていき、生命体にしかできない合成・反応や人類にのみできる反応を見出して社会に還元していくために、やるべき研究は無限に存在し、我々が立ち向かうに値する重要なミッションと捉えます。このような学問の意義を世間一般に伝え、専門家間で議論を深める一助となるべく、関西支部では活動を続けております。これからの合成化学にはAIの導入も必要ではありますが、神も知らない物質の創成や斬新な反応の開拓には、やはり人的な要素は欠かせないかと思っています。いわゆる3K(きつい、汚い、危険)なイメージに有機合成化学は捉えられがちではありますが、それ故に、新たな発見・発明を達成した時には、何事にも代え難いものがあります。学生さんをはじめ若い研究者にこの喜びを伝えることも我々の使命としております。このような想いを念頭に置き、関西支部は多彩・多様なセミナーを準備しておりますので、皆様方のご支援とご協力をお願い申し上げます。
                          

2020年度有機合成化学協会・関西支部長
(大阪大学大学院工学研究科・教授)
南方 聖司

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