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支部長挨拶

2013年度有機合成化学協会・関西支部長 上西潤一

 有機合成化学協会は1942年に創立されましたが、本関西支部は15年遅れて1957年に宍戸圭一先生を支部長として発足し、以来50数年になります。1981年からは近畿地域に福井県、石川県と富山県の北陸三県が加わり拡大した関西支部としての活動が始まりました。関西支部の活動は本邦の有機合成化学において常に先導的な役割を担って来ましたし、幾多の輝かしい成果と世界をリードする多くの人材を生み出してきました。その中では歴史の変遷とともに有機合成化学もその方向やトレンドこそ移り変わって来ましたが、「ものつくり」という根っ子の部分は、物質が社会の基幹であり続ける限り、今後も変わらないと思えます。
 さて、人の骨髄には骨芽(造骨)細胞と破骨細胞があるように、人間の心の中にも「つくる(創造)」と「こわす(破壊)」という2つの心が住みついています。私達が有機合成に向かう心は、「つくる心」に通じる人間の根源的な意識であり、大げさに言えば「分子をつくり上げる」快楽ともいえます。有機合成化学は、新しい分子、美しい分子、価値のある分子を作り上げる学問であり、有機合成化学協会にはその快楽に酔いしれる仲間が集まっています。「面白い」が込められた新しい反応、新しい合成法、新しい物質、新しい材料など、我々は有機合成化学を通じて社会に貢献し、魅力ある価値を次の世代に伝えてゆかねばなりません。
 本年もアカデミアとインダストリーが共に手を携えて活動し、有機合成化学を力強く発展させ、関西特有の「きづな」を深める事が出来ればと願っています。皆様の暖かいご支援をお願い申し上げます。

2013年度有機合成化学協会・関西支部長
上西 潤一

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